スマートフォンやタブレット、Windows PCなど、多彩なファーウェイ製品を詳しくレビューしている「ファーウェイ通信」。今回は新登場のSIMフリースマホ「HUAWEI nova 3」について見ていく。
若年層を狙った「HUAWEI nova」シリーズの最新モデル
同社ハイエンドに近い性能を5万円台で入手できる
ファーウェイと言えば、「HUAWEI P」シリーズや「HUAWEI Mate」シリーズなど、ハイエンドスマホのイメージが強いが、これ以外にも多彩なラインアップを揃えている。今回紹介するSIMフリースマホ「HUAWEI nova 3」は、それらのモデルよりは少し若い年齢層を狙った「HUAWEI nova」シリーズの最新機となる。
HUAWEI nova 3の特徴を見ていこう。まず目に付くのが、約6.3型という大画面で情報量が多い液晶ディスプレー。解像度は2340×1080ドットと高精細で、鮮明かつ色調豊かな表示が可能だ。
約6.3型にも関わらず、案外持ちやすい印象なのは当然のことで、縦横比は19.5:9というかなり縦長な画面を採用しているため。本体の横幅は約73.7mmに抑えられており、片手での操作も問題ない。また重量も約166gとこのサイズとしては軽量だ。
性能も注目である。CPUはオクタコアの「HUAWEI Kirin 970」(4×2.36GHz+4×1.8GHz)で、「HUAWEI P20」など、同社の現行ハイエンド機に搭載されているのと同じもの。AI演算に特化したプロセッサー(NPU)を内蔵しており、カメラ機能などに活かされている。また、メモリーは4GB、ストレージは128GB。たっぷりと写真や動画を貯め込めるうえ、microSDによる増設も可能だ。OSはAndroid 8.1で、独自UIはEMUI 8.2。キビキビとした快適な操作感となっている。
これに加えて、アウトカメラ/インカメラともにAI対応のダブルレンズカメラを搭載し、とくにインカメラは24メガと高画素だ。ネットワーク面では、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE。VoLTEはソフトバンク網に加え、au網にも対応予定)が利用できる。さらに、3750mAhという大容量バッテリーで、9V/2Aの急速充電をサポートする。ここまででもわかるようにハイエンドモデルに匹敵する性能を備えながら、税抜5万4800円という価格なのだから驚きである。
デザインは、ツヤのある背面ガラスや高級感あふれるメタルフレームを備え、優美でありながらエネルギッシュな雰囲気も漂わせる。本体色は、今回試用したアイリスパープルとブラックの2色。特に、アイリスパープルは青から紫へのグラデーションが美しく、見る角度によって表情を変える非常に印象的な色合いだ。
アウトもインもダブルレンズカメラ!
AIによるシーン自動認識で最適な設定で撮影してくれる
ここからは、HUAWEI nova 3の最大の魅力であるカメラについて見ていこう。
まず前述したように、HUAWEI nova 3はダブルレンズカメラを搭載している。しかもアウトとインの両方だ。アウトカメラは、約2400万画素モノクロセンサー(開口部 F値1.8)と約1600万画素RGBセンサー(開口部 F値1.8)の組み合わせ。2つのレンズを活用することで、自然な背景ボケを取り入れたポートレートなどの撮影モードを利用できる。
HUAWEI nova 3は、AIがシーンや被写体を判別して、ベストな撮影方法を自動設定してくれる「AIアシスト」機能を搭載することもポイントだ。認識できるシーンや被写体は、犬やパンダ、フード、花火、植物、曇り、ポートレートなど全22種類。「HUAWEI Mate 10 Pro」や「HUAWEI P20」といったハイエンドモデルにも同様の機能が搭載されているが、初心者でもSNS映えする写真を簡単に撮れるのがなによりうれしい。
また、ファーウェイのダブルレンズカメラではおなじみのワイドアパーチャ機能ももちろん利用できる。焦点の合った部分以外をきれいにボケさせた写真を撮ることができるものだが、撮影後に焦点位置や絞りを変更できる。ワイドアパーチャでサッと撮っておいて、あとから自分好みの写真に仕上げることが可能だ。
さて、実際にどのような写真が撮れるのかは、作例を見てもらうのが一番だろう。
インカメラもAIでの自動設定で
セルフィーによる記念写真で背景も美しく!
こちらも、アウトカメラと同様にダブルレンズカメラとなっており、約2400万画素センサー+約200万画素センサーの組み合わせ。自然な背景ボケを設定できるほか、新たに追加された「HDR Pro」機能により逆光環境でも顔も背景も美しく撮影できるなど、セルフィーを強力にサポートしてくれる。
また、インカメラでもAIアシスト機能は有効となっており、8種類のシーンをAIが判別して最適な撮影方法を選択してくれる。セルフィーにおいて、メインの被写体となる人物をキレイに写すことは、どのスマホメーカーもアピールしている。しかしその背後の風景も美しく撮ってくれないと、特に観光地の記念写真では台無しだ。
また、夜景をバックにした場合と、花に囲まれている場合では、ベストな撮影設定は当然異なる。これをAIが自動で判別して最適な設定にしてくれるのは、初心者には心強い。
指紋に加え、顔認証も可能
DSDV対応でサウンドも強力 イヤフォン端子もあり!
HUAWEI nova 3のスマホとしての使い勝手についても見ていこう。
まずはセキュリティー面だが、HUAWEI nova 3は本体背面に指紋認証センサーを搭載。ファーウェイの指紋認証センサーは、その認識精度とスピードに定評がある。センサー上で長押しやスワイプをすることでカメラのシャッターを切る機能などがあり、利便性も高い。
HUAWEI nova 3では一般的な指紋認証に加えて、顔認証機能も搭載されている。顔の凹凸を3Dで認識しており、正確性が比較的高く、なりすましによる認証も防ぎやすくなっているという。また、赤外線も利用しているため、暗い場所でも使えるのも特長だ。
また、本機の顔認証機能は操作性にも優れている。デフォルトでは、顔認証の成功後に画面をスライドしてロック解除するという使い方だが、スライドを省略してそのまま解除する設定にも変更可能。顔認証にかかる時間は1秒程度で、待たされるという感覚はない。
SIMフリースマホならではの機能としてはデュアルSIMがある。HUAWEI nova 3は、前述したようにDSDVにも対応。通信用SIMと通話用SIMの2枚挿しをしている場合にも、VoLTEによるクリアな通話を利用できる。
仕事用SIMとプライベート用SIMを使い分けたり、海外渡航時に国内SIMと現地SIMを2枚刺しするのもDSDV対応だからこその使い方。HUAWEI nova 3は対応バンドも多いため、国内外問わず、移動先で活躍してくれそうだ。
HUAWEI nova 3は、サウンド面にも力が入れられている。ファーウェイ独自のサラウンド技術「Histen」が採用されており、ヘッドフォンの利用時には、臨場感あふれるサウンドが楽しめる。また、本体内蔵のスピーカーによるサウンドもなかなかの音質とパワフルさだ。イヤフォン端子がしっかり用意されているのも、うれしいと感じる人は多いのではないだろうか。
気になるガジェットの写真を長押しですぐに購入可
アニメーションの絵文字も作れる
最後に、HUAWEI nova 3に搭載されたユニークな2つの機能について紹介しよう。
まずは、ネットショッピングの利便性がアップする「HiTouch」という機能について。これはアプリを問わずに、スマホで表示中の製品を二本指で長押しすると、その製品をAmazon.co.jpで検索し、購入ページへのリンクを表示してくれるというもの。Amazonが提供する「Amazon Assistant」というアプリを別途インストールすれば、すぐに利用可能だ。
使い方はいたってシンプル。ニュースサイトなどで気になる商品の写真があったら、それを二本指で長押しするだけ。筆者もそうだが、気になるデジタルガジェットがウェブ上で紹介されていると、商品をすぐにAmazonで検索して、実際に購入したり、ユーザーの評価をチェックしたりする人は多いはず。そういう人にとっては重宝すること間違いなしな機能と言える。
もうひとつは、カメラの「ARレンズ」機能を利用したアニメーション絵文字の「3D Qmoji」だ。インカメラに向かって話しかけたり、表情を作ると、その声や表情を3Dのキャラクター絵文字にしてくれるというもの。できあがった絵文字(MP4ファイル)はSNSなどでシェアすることも可能。誕生日の祝福や感謝を伝える時など、特別なメッセージを送る際に使用すれば印象がアップするだろう。
HUAWEI nova 3は、ファーウェイ・オンラインストアのほか、MVNOや家電量販店、ECサイトなどで発売中。市場想定価格は税抜5万4800円。MVNOによっては、SIM契約とのセットで割引販売されているケースもある。ハイエンド級の性能をお手頃に入手できるので、性能もコスパも、という欲張りな人にオススメしたい1台だ。
(出典 news.nicovideo.jp)
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